ココナラ、筆頭株主がnoteに交代──創業者株式譲渡と今後の経営戦略
2025年4月22日、スキルマーケットを展開する東証グロース上場企業・株式会社ココナラ(4176)は、創業者である南章行氏が所有していた株式219万株(発行済株式の9.30%)をnote株式会社に譲渡する株式契約を締結したと発表しました。
これにより、note株式会社がココナラの筆頭株主に就任。両社は今後、「さまざまな分野で協業を推進し、新たな価値創出に取り組む」としています。
■ 株式譲渡の概要
- 譲渡株式数:2,190,000株(9.30%)
- 譲渡方法:市場外の相対取引
- 譲渡元:南章行氏(創業者)
- 譲渡先:note株式会社(代表取締役 加藤貞顕)
- 譲渡日:2025年4月25日(予定)
■ これは資金調達なのか?
今回のスキームは「会社による新株発行」ではなく、「創業者個人による既存株式の譲渡」であり、ココナラへの直接的な資金流入はありません。
ただし、株主構成の変化により、経営戦略や役員構成の変更が今後起こる可能性が高く、実質的な「資本+業務提携」の意味を持ちます。
■ note側の狙いとは?
1. クリエイターエコノミーの強化
noteは「誰もが創作を始め、続けられる社会をつくる」というビジョンを掲げており、プラットフォームを通じてコンテンツ発信と収益化の仕組みを提供しています。
一方、ココナラはスキルを販売できる場として、知識・経験の“取引所”を運営。
両者が手を組むことで、「発信」+「収益化」の流れを一貫して支援できる体制が整います。
2. サービスの相互補完によるシナジー
noteの「書く・伝える」と、ココナラの「売る・受ける」は機能的に補完関係にあります。
- noteで記事を公開 → ココナラで関連スキルを販売
- ココナラで販売実績 → noteで信頼性ある発信
両社を横断するエコシステムが構築されれば、ユーザーのLTV(生涯価値)や定着率も向上するでしょう。
3. コンテンツ経済圏の拡張とシェア拡大
noteはユーザー数500万人超のメディアプラットフォーム。
ココナラはスキル取引で月間数百万人が利用するマーケット。
この2社が連携することで、新たなコンテンツ経済圏の覇者を目指す動きとも言えます。
▶ 出典:note公式発表(2025年4月)
■ 他社・業界への影響
1. 競争環境の激化
「発信×販売」を統合するこの動きにより、類似サービス(スキルシェア系、メディア系)は競争優位性を再構築せざるを得なくなると見られます。
2. M&A・資本提携の加速
このような「クリエイター・プラットフォーム連携」は国内市場でも今後活発化する見込みです。
中堅〜成長フェーズのスタートアップにとって、M&Aや資本業務提携は生存戦略の一環としてますます重要になっていくでしょう。
■ まとめ
ココナラとnoteの筆頭株主交代は、単なる株式譲渡ではなく、両社の戦略的な再編成を示唆するターニングポイントです。
これからの展開としては:
- noteによる役員派遣・経営関与
- サービス統合やクロスユーザー施策
- コンテンツ+スキル販売の新たなUX創出
今後のIR発表やプロダクト展開に注目です。
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