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Ridge-i(5572)、SBIホールディングスと資本業務提携~第三者割当増資によるPIPES事例~

Ridge-i、SBIと資本業務提携

2025年9月12日、東証グロース上場のRidge-i(5572)は、SBIホールディングスと資本業務提携を締結し、第三者割当増資を実施すると発表しました。特定投資家に対する新株発行により資金を調達し、同時に戦略株主を迎え入れる典型的なPIPES(Private Investment in Public Equity)のスキームです。

取引のポイント(ファクト)

  • 割当先: SBIホールディングス
  • 発行株式数: 普通株式 390,000株(第三者割当)
  • 発行価額: 1株あたり 2,716円(直前終値等に対する軽微なディスカウント)
  • 発行価額の総額: 1,059,240,000円
  • 手取概算額: 約10.49億円
  • 希薄化率: 約9.97%(議決権ベース9.99%)
  • スケジュール: 払込期日 2025年9月30日(予定)
  • 議決権構成: 新株発行と創業者保有株の市場外譲渡の組み合わせにより、SBIの所有議決権比率は22.69%に

資金使途(計画)

手取資金は以下に充当予定です(いずれも2025年10月〜2028年7月を目安)。

  • M&A・資本業務提携のための出資金:約6.49億円
  • AIシステム設備投資(GPUサーバー等・クラウド利用費):約3.00億円
  • AI人材の採用・育成等の運転資金:約1.00億円

業務提携の主なテーマ

  • グループ横断のAI活用: 生成AI導入、データ分析基盤整備、人材交流によるノウハウ融合
  • SBI証券の顧客基盤×データ活用: 新たな投資体験の提供、マーケ最適化、顧客向け生成AIチャネル
  • ネオメディア戦略の強化: エンタメ・コンテンツ領域でのデータ利活用、Web3関連の新商品など

PIPESとしての位置づけ

今回のスキームは、公開市場を介さずに特定投資家へ新株を割当てつつ、筆頭級の議決権を伴う戦略株主の受け入れを同時に行う点が特徴です。希薄化(約10%)は生じるものの、調達資金を成長投資に振り向けることで中長期の企業価値向上を狙う設計であり、PIPESの狙いに合致しています。

ガバナンス・株主構成に関する補足

  • 将来の新株発行等に関しては、SBIの事前承認および持分維持のための優先引受権に関する合意を明記
  • SBIの持株・議決権比率が20%以上の場合、取締役1名の指名権(株主総会承認が前提)を付与

まとめ ― 「続報に期待」

Ridge-iは今回のPIPESで自己資本を厚くしつつ、SBIグループのデータ資産・販売網と連携する足場を獲得しました。今後は、M&AやAI設備投資、人材強化の進捗、そして具体的な協業案件の開示が次の焦点です。クロージング後の実装フェーズで、どのような新サービスや導入事例が生まれるか――こうご期待です。

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