【PIPES事例】フォーシーズHD、“美と癒し”の未来へ資本戦略を再設計──ネットプライス、ジェリービーンズとの提携とPIPES型増資
株式会社フォーシーズHD(東証スタンダード、証券コード:3726)は、2024年から2025年にかけて第三者割当による資金調達と複数の業務提携を通じて、「美と健康」「癒し」「サステナビリティ」を軸とした事業拡大を進めています。
一連の流れをみると、いずれも外部資本・提携先のリソースを活かしながら、既存事業の拡大と新領域への進出を目的としたPIPES的スキームと位置づけることができます。
—
◆ 第三者割当+予約権による資金調達(発行主体:フォーシーズHD)
同社は2024年にかけて、以下のような第三者割当増資および新株予約権(第16回)の発行を実施しています:
- 再生可能エネルギー事業分野への参入:387百万円
- 子会社への貸付(太陽光用地取得):328百万円
- 社債償還資金:200百万円(償還時期は2026年に延長)
また予約権による調達は主に以下の事業に充当されます:
- 既存事業の海外展開
- エンジョイライフ分野でのM&A
- 広告・販促費、人材研修費等
このように、資金調達と同時に投資対象・目的が明確に設定されている点で、事業推進型のPIPESスキームといえます。
—
◆ 提携①:株式会社ネットプライスとの戦略連携(2024年9月)
ネットプライス社が運営するサステナブルEC「OTAMESHI」との提携では、SDGs文脈でのアウトレット販売とEC連携が主軸となります。
- 会員数:ネットプライス 310万人、フォーシーズHD 19万人
- 販売拡大と代理架電(営業支援)を双方実施
- ネットプライス大株主の立川光昭氏が、フォーシーズ社外取締役でもある点に注目
この関係性は資本と業務の両面にまたがっており、将来的な出資・共同ファイナンスへの地ならしとも読み取れます。
—
◆ 提携②:ジェリービーンズグループとの提携(2024年12月)
婦人靴ブランド「ジェリービーンズ」との提携は、ライフスタイル領域での販路・商品連携が目的です。
- 同社取締役会長・立川氏はフォーシーズの社外取締役
- 店舗・EC双方での共同展開を視野に入れた協業
- 将来的には株主優待にも商品投入予定
これも“人的ネットワーク→業務提携→販路シナジー→資本関係”という流れに乗る可能性があり、実質的には段階的PIPESモデルの典型です。
—
◆ 総括:資金調達・業務連携・M&Aを一体設計したフォーシーズ流PIPES
フォーシーズHDのPIPES戦略は、単なる資金調達ではなく事業成長のロジックと一体化したPIPES設計となっています。
- 再エネ+M&A+マーケ支出=明確な成長指向
- 提携先との人的ネットワークが投資やファイナンスに連動
- PIPESによる調達と予約権行使で段階的に実現資金を得る
特に、SDGs・Web3的な価値軸に寄ったビジネスモデルとの融合は、今後のPIPES活用企業にとっても重要なヒントとなるはずです。
本記事は以下の開示資料に基づき作成されています:
- 「ネットプライス社との業務提携に関するお知らせ」(2024年9月20日):contentReference[oaicite:0]{index=0}
- 「ジェリービーンズグループとの業務提携に関するお知らせ」(2024年12月25日):contentReference[oaicite:1]{index=1}
- 「第三者割当による新株発行および資金使途変更のお知らせ」(2024年12月25日):contentReference[oaicite:2]{index=2}
この記事へのコメントはありません。