enishは2026年10月26日、EVO FUNDを割当予定先とする第24回新株予約権と第3回無担保普通社債の発行を取締役会で決議した。新株予約権が当初行使価額21円で全て行使された場合、発行代金と行使代金の総額は11億7,291万6,000円、発行諸費用を差し引いた手取概算額は11億5,491万6,000円となる。
潜在株式数は5,580万株で、2026年6月末の発行済株式総数に対する希薄化率は109.66%。新株予約権の手取資金はゲーム事業、DAT事業における暗号資産の取得、つなぎ資金として発行する社債の償還に充てる予定だ。既存の第22回新株予約権については、2026年11月10日時点の残存分を取得し、直ちに消却する計画である。
新株予約権の手取金からゲーム・DAT事業に10.55億円
同社は、第24回新株予約権による手取資金のうち6億5,500万円をゲーム事業への投資に充てる予定だ。内訳は、新規タイトルの開発・運営費用3億5,500万円、IP獲得費用2億円、ゲーム周辺事業への投資1億円。支出予定時期は2026年11月から2028年11月までとなっている。
DAT事業に係る暗号資産の取得には4億円を配分し、2027年8月から2028年11月までに支出する予定である。ゲーム事業とDAT事業への配分は、新株予約権の手取金ベースで合計10億5,500万円となる。
残る1億円は第3回無担保普通社債の償還に充当する。社債は新株予約権の行使による調達までのつなぎ資金であり、行使で得た資金によって繰上償還する予定だ。このため、社債の発行額を手取概算額に単純加算するものではない。
新株予約権と無利率社債の主要条件
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 割当予定先 | EVO FUND |
| 新株予約権の発行数 | 558,000個 |
| 目的となる株式数 | 1個当たり100株、合計55,800,000株 |
| 発行価額 | 1個当たり2円、総額1,116,000円 |
| 当初行使価額 | 1株当たり21円 |
| 下限行使価額 | 1株当たり11円 |
| 払込金額総額 | 1,172,916,000円 |
| 発行諸費用 | 概算18,000,000円 |
| 差引手取額 | 概算1,154,916,000円 |
| 割当日・払込期日 | 2026年11月11日予定 |
| 行使期間 | 2026年11月12日から2028年12月12日までの予定 |
| 社債発行額 | 上限100,000,000円 |
| 社債利率 | なし |
| 社債償還期限 | 2028年12月12日予定 |
行使価額は割当日の2取引日後に初回修正され、その後は1取引日ごとに、先立つ2連続取引日の終値の最安値の100%相当額へ修正される。ただし、下限行使価額の11円を下回らず、上限行使価額は設けない。
第3回無担保普通社債は2026年11月26日に最大1億円を発行する予定で、同日までの新株予約権の行使払込額を250万円単位で発行額から控除する。資金使途表の合計は百万円単位で11億5,500万円だが、差引手取概算額の正確な値は11億5,491万6,000円で、8万4,000円の差がある。これは百万円単位の表示による丸めの差である。
既存の第22回新株予約権は残存分を取得・消却へ
同社は2026年5月に第22回新株予約権21万個を発行しており、潜在株式数は2,100万株だった。開示日時点では10万5,540個が行使され、1,055万4,000株を交付済み。2026年10月9日時点の累計調達額は3億2,016万4,000円となっている。
このうち2億9,250万円は第2回無担保普通社債の償還、750万円は新規タイトルの開発・運営費用に充当済みで、残額2,016万4,000円は普通預金口座に保管されている。開示日時点の残存数は10万4,460個、対応する潜在株式数は1,044万6,000株。2026年11月10日時点で残存する分を取得し、直ちに消却する予定である。開示日時点の残存数を前提とした取得価額は20万8,920円となる。
全行使時の最大議決権比率は52.31%
EVO FUNDはケイマン諸島法に基づく投資ファンドで、2026年10月26日時点におけるenish株式の保有数と議決権数はいずれもゼロだった。第24回新株予約権が全て行使された場合、同ファンドが取得し得る議決権は55万8,000個となる。
2026年6月末の総議決権50万8,619個を基準にすると、全行使後の総議決権は106万6,619個となり、EVO FUNDが保有し得る議決権比率は最大52.31%となる。ただし、同ファンドは純投資を目的とし、取得株式を原則として長期間保有せず、基本的に市場内で売却する方針としていると説明している。募集後の大株主と持株比率は資料に記載されておらず、支配株主の異動についても確定的な記載はない。
既存株主への影響は希薄化と行使価額を分けて確認
潜在株式5,580万株は、2026年6月末の発行済株式総数5,088万2,560株に対して109.66%に相当する。議決権ベースの希薄化率は109.71%で、全行使された場合には既存株主の持分比率が低下する。
EVO FUNDは、所定の延長事由や義務消滅事由を除き、原則として2027年11月12日までに27万9,000個以上、2028年11月13日までに全55万8,000個を行使する予定としている。潜在株式数は固定される一方、実際の調達額は修正後の行使価額と行使状況によって変動する。株主への影響を見る際は、行使個数、実際の行使価額、取得株式の売却状況を分けて確認する必要がある。
投資ファンドによる資金供給、事業提携の記載はなし
本件の割当予定先は事業会社ではなく投資ファンドである。EVO FUNDは、取締役の派遣などによる経営関与を行わない純投資を基本方針としていると説明している。本件における役員の選任・派遣の確定事項や、資本業務提携の具体的な内容は資料に記載されていない。
資金使途には社債償還だけでなく、新規タイトルの開発・運営、IP獲得、ゲーム周辺事業、DAT事業における暗号資産取得が含まれる。新規タイトルなどへの投資資金を、行使価額修正型の新株予約権によって段階的に調達する構成である。
今後は払込、社債発行額、資金充当を追跡
今後の確認点は、第24回新株予約権の払込完了、第22回新株予約権の残存分の取得・消却、第3回無担保普通社債の実際の発行額である。発行後は、新株予約権の行使個数と行使価額、実際の調達額、割当先の保有状況を確認する必要がある。
あわせて、ゲーム事業とDAT事業への資金充当実績、社債の繰上償還状況も追跡点となる。募集後の主要株主、支配株主の異動、本件に伴う役員選任や資本業務提携については、開示資料に確定的な記載がない。
出典
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