【PIPES事例】PostPrime株式会社、サイブリッジと資本業務提携
市場外で約19.8%取得、筆頭株主が異動
2026年1月14日、PostPrime株式会社(東証グロース、証券コード198A)は、サイブリッジ合同会社との資本業務提携を発表した。
あわせて、株式の売出し、および主要株主ならびに主要株主である筆頭株主の異動が生じる見込みとしている。
本件は、PostPrimeの主要株主であったDAN TAKAHASHI LLCが保有する普通株式を、サイブリッジが市場外の相対取引により取得する形で実行される。
市場外で2,029,500株を取得、公開買付けに準ずる買集め行為に該当
開示によれば、サイブリッジはPostPrime株式2,029,500株を取得し、議決権ベースで19.80%
(発行済株式総数10,252,060株を基準)を保有する筆頭株主となる予定。
当該取得は、金融商品取引法上の
「公開買付けに準ずる行為として政令で定める買集め行為」
に該当するため、所定の公表が行われた。
取得価格は1株144.5円、総額は約2.93億円
今回の株式譲渡条件は以下のとおり。
- 譲渡株式数:2,029,500株
- 譲渡価格:1株あたり144.5円
- 売出価額の総額:293,262,750円
- 売出方法:市場外での相対取引
なお、本件は新株発行を伴わない株式譲渡であり、発行済株式総数に変更はない。
また、株式の受渡(譲渡実行)は2026年1月19日〜21日(予定)とされている。
業務面ではプロダクト改善・コスト圧縮・M&Aを想定
資本提携と同時に業務提携も行うとしており、主に以下を掲げている。
- プロダクト改善およびコストの圧縮(開発支援、UI/UX改善、開発体制の知見提供等)
- ソーシャルメディアマーケティング連携による集客・認知向上
- M&Aによる非連続的成長(ソーシング、PMI支援、収益化パターンの展開等)
- 提携協議会の設置(原則月1回)
また、将来的に新株予約権の発行等による追加的な資本提携の可能性について検討するとしているが、
現時点で確定事項ではないとしている。
この取引はPIPESとしてどう位置づけられるのか
本件は形式上、「資本業務提携」「株式の売出し」「主要株主・筆頭株主の異動」として整理されている。
一方で、資本政策の構造という観点から見ると、
PIPES(Private Investment in Public Equity)的な性質を強く持つ取引と位置づけることができる。
PIPESの基本(最小限)
PIPESとは、上場企業が公開市場を通さず、特定の投資家(ファンド、事業会社等)から
資本を受け入れる取引を指す。
一般的には以下の特徴を持つ。
- 公募増資や市場売却を用いない
- 相手方が特定される
- 価格や条件が当事者間の交渉で決定される
- 資本と同時に、業務・経営面での関与が想定される
本件がPIPES的といえるポイント
今回のPostPrimeの取引では新株発行は行われていない。
筆頭株主が保有していた株式を、特定の投資家が市場外で取得する形であり、
構造的には「セカンダリー型PIPES(市場外・特定投資家型の株式取得)」として整理できる。
- 市場外での相対取引で実行されている
- 投資家(サイブリッジ)が特定されている
- 価格は市場形成ではなく当事者間協議で決定
- 議決権約19.8%の取得により影響力が大きい
- 業務提携により、開発・マーケ・M&A等の関与が明示されている
第三者割当PIPESとの違い
日本で多い第三者割当増資型PIPESでは、新株発行によって希薄化が生じ、会社に資金が入る。
一方、本件は新株発行を伴わず、
株主構成の再編(筆頭株主の交代)と資本業務提携を組み合わせた点が特徴となる。
まとめ:PIPESは「資金調達」だけでなく「再設計」にも使われる
PIPESは成長資金の手法として語られることが多いが、
本件はそれに加えて、株主構成の組み替えや経営再設計の局面で
活用され得ることを示している。











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