PIPEs・資本戦略レポート

ジェイホールディングスにノアグループが経営参画提案|EVO型MSワラント後の再建シナリオを読む

ジェイホールディングスに対するノアグループHDの経営参画提案とEVO FUND型MSワラント後の再建シナリオを解説

2026年7月31日更新:ジェイホールディングス株式会社(2721・東証スタンダード)をめぐり、ノアグループホールディングス株式会社による経営参画提案と、現経営陣側の資本政策が同時に動いています。

ノアグループHDは、取締役3名の選任を目的とする臨時株主総会の開催に向け、東京地方裁判所から株主総会招集の許可を取得しました。ノアグループHD側が招集する臨時株主総会については、2026年8月4日が議決権行使株主を確定する基準日として設定されています。

その一方で、JHDの眞野定也社長は2026年7月29日、既存の割当先3名から第8回新株予約権26,000個を譲り受け、同日中に全てを行使しました。これにより260万株を取得し、議決権所有割合16.58%の主要株主・筆頭株主となっています。

さらに、EVO FUNDを割当先とする第10回新株予約権についても行使が続いています。2026年7月中には846,000株が新たに交付され、7月31日時点で4,170,000株分の新株予約権が未行使のまま残っています。

今回の一連の動きは、単なる資金調達や新株予約権の行使ではありません。

EVO FUND型ファイナンス、ノアグループHDによる取締役選任提案、眞野社長による議決権の確保が、臨時株主総会を前に同時進行している案件として見る必要があります。

本記事の前提:本記事は、JHD、ノアグループHDその他の関係者が公表した資料に基づく情報整理です。特定の有価証券の取得・売却を推奨するものではありません。臨時株主総会の開催日、議案の成否、経営体制、事業計画、業績への影響などには未確定の事項が含まれます。

ジェイホールディングスで何が起きているのか

JHDをめぐる現在の論点は、大きく分けると次の6つです。

  • EVO FUNDを割当先とする行使価額修正条項付新株予約権による資金調達
  • 第11回新株予約権を含む大規模な潜在株式の存在
  • ノアグループHDとのスポーツ事業に関する業務提携基本契約
  • ノアグループHDによる取締役3名選任を目的とした臨時株主総会招集
  • 眞野社長による第8回新株予約権の取得・行使と筆頭株主への異動
  • 会社側とノアグループHD側で異なる基準日が設定されていること

資金調達、事業提携、株主提案、取締役選任、議決権構成の変更が同時に進んでおり、JHDは資本政策とガバナンスが大きく動く局面に入っています。

2026年7月末までの主な経緯

日付 主な出来事
2026年1月28日 EVO FUND向け第10回新株予約権と、第11回新株予約権の発行を決議
2026年2月13日 第10回・第11回新株予約権を発行
2026年3月12日 ノアグループHDとの業務提携基本契約締結を発表
2026年6月15日 ノアグループHDから臨時株主総会招集請求を受領
2026年7月1日 ノアグループHDによる株主総会招集許可申立てを公表
2026年7月7日 JHDが会社側の臨時株主総会について7月23日を基準日として設定
2026年7月17日 東京地方裁判所がノアグループHDによる株主総会招集を許可
2026年7月18日 ノアグループHDが8月4日を基準日とする公告を掲載
2026年7月21日 JHDが裁判所による株主総会招集許可決定を公表
2026年7月23日 JHD会社側の臨時株主総会に関する基準日
2026年7月29日 眞野社長が第8回新株予約権26,000個を譲り受け、即日行使して260万株を取得
2026年7月29日 眞野社長が議決権所有割合16.58%の主要株主・筆頭株主へ異動
2026年7月30日 JHDがノアグループHD側の基準日が8月4日であることを公表
2026年7月31日 EVO FUNDが7月中に第10回新株予約権を行使し、846,000株を取得したことを公表
2026年8月4日 ノアグループHD側が招集する臨時株主総会の基準日
2026年9月4日まで 裁判所の許可に基づきノアグループHDが臨時株主総会を招集可能

EVO FUND型ファイナンスの概要

JHDは2026年1月28日、EVO FUNDを割当先とする第10回新株予約権と、Recharge Power、SIC ENERGY、眞野定也氏、PARK KUNTAERANG氏を割当先とする第11回新株予約権の発行を決議しました。

項目 第10回新株予約権 第11回新株予約権
割当先 EVO FUND Recharge Power、SIC ENERGY、眞野定也氏、PARK KUNTAERANG氏
新株予約権数 82,700個 120,000個
潜在株式数 8,270,000株 12,000,000株
主な特徴 行使価額修正条項付 行使価額の修正条項を含む設計

第10回と第11回を合わせた潜在株式数は20,270,000株です。当初想定の調達資金額は4,069,948,600円とされており、JHDの従来の発行済株式数と比較しても非常に大きな規模のファイナンスです。

第10回新株予約権は、株価に応じて行使価額が修正されるMSワラント型の設計です。EVO FUNDについては純投資目的であり、行使によって取得した株式を原則として長期間保有せず、市場内で売却する方針であることがJHDの発行時開示に記載されています。

そのため、既存株主にとっては、資金調達の進捗だけでなく、行使による株式数の増加と、取得株式の市場売却による需給への影響を確認する必要があります。

眞野社長が第8回新株予約権26,000個を取得

JHDは2026年7月29日、2025年1月に発行した第8回新株予約権の一部譲渡を承認しました。

譲渡された新株予約権は、合計26,000個です。

譲渡人 譲渡個数 譲渡金額
親川智行氏 11,000個 1,782,000円
中谷正和氏 8,000個 1,296,000円
森上和樹氏 7,000個 1,134,000円
合計 26,000個 4,212,000円

譲渡価額は、新株予約権1個につき当初発行価額と同額の162円です。

JHDの説明によれば、第8回新株予約権は再生医療関連事業の推進に必要な資金を調達する目的で発行されましたが、株価の低迷などにより、当初の割当先による行使が想定を下回っていました。

今回の譲渡前までの行使状況は、親川氏が1,000個、中谷氏が7,000個、森上氏が0個でした。

こうした状況を受け、眞野社長が早急な資金調達を実現するため、3名から新株予約権を譲り受け、自ら行使する方針を示したと説明されています。

会社は、眞野社長が取得株式を中長期保有する方針であることを口頭で確認したとしています。また、譲渡承認時点で、26,000個分の行使代金に相当する金額が会社の銀行口座へ入金されていたことも開示されています。

眞野社長が260万株を即日取得し、筆頭株主へ

眞野社長は、新株予約権の譲渡を受けた2026年7月29日中に、第8回新株予約権26,000個を全て行使しました。

項目 内容
行使日 2026年7月29日
行使した新株予約権数 26,000個
交付株式数 2,600,000株
1株当たり行使価額 153円
会社開示上の行使価額総額 397,000,000円
行使後の発行済株式総数 16,358,500株
眞野社長の所有株式数 2,600,000株
議決権所有割合 16.58%
大株主順位 第1位

この行使により、眞野社長は新たに主要株主及び主要株主である筆頭株主となりました。

従来の筆頭株主であったLGT BANK LTDは、1,434,300株を保有したままですが、議決権所有割合は10.96%から9.15%へ低下し、主要株主・筆頭株主には該当しないこととなりました。

数値に関する注記:JHDの適時開示には、交付株式数2,600,000株、1株当たり行使価額153円、行使価額総額397,000,000円と記載されています。株式数と1株当たり行使価額の単純計算とは差があるため、本記事では行使価額総額について会社開示の記載をそのまま引用しています。

臨時株主総会を前に議決権構成が変化

今回の260万株取得で最も注目されるのは、その時期です。

眞野社長が260万株を取得した2026年7月29日は、JHD会社側が設定した7月23日の基準日より後であり、ノアグループHD側が設定した8月4日の基準日より前に位置します。

区分 基準日 現在確認できる内容
JHD会社側の臨時株主総会 2026年7月23日 2026年9月の開催を予定。開催日時、場所、付議議案は未確定
ノアグループHD側が招集する臨時株主総会 2026年8月4日 取締役3名選任が目的。裁判所は9月4日までの日を会日として招集することを許可

同じJHDを対象として、会社側とノアグループHD側で異なる基準日が設定されています。

各総会で議決権を行使できる株主は、それぞれの基準日時点の株主名簿に基づいて確定されます。そのため、7月29日に取得された260万株が、どちらの臨時株主総会の議決権構成に反映されるのかを判断する際には、2つの基準日を分けて考える必要があります。

ただし、眞野社長による新株予約権の取得・行使が、臨時株主総会への対応だけを目的として行われたと断定することはできません。

会社は、行使が進んでいなかった第8回新株予約権を眞野社長が引き取り、再生医療関連事業などに必要な資金を早期に調達することが目的であると説明しています。

一方で、結果として、臨時株主総会を前に代表取締役が16.58%の議決権を持つ筆頭株主になったことは事実です。資金調達と議決権構成の変化を、両面から確認する必要があります。

裁判所がノアグループHDによる株主総会招集を許可

ノアグループHDは、JHDに対して取締役3名の選任を目的とした臨時株主総会の招集を請求しました。

JHDの2026年6月15日の開示によれば、ノアグループHDは、JHDの総株主の議決権の100分の3以上の議決権を6か月前から引き続き保有する株主として、会社法第297条第1項に基づく招集請求を行っています。

その後、ノアグループHDは東京地方裁判所に株主総会招集許可を申し立てました。

東京地方裁判所は2026年7月17日、ノアグループHDに対し、取締役3名選任の件を目的事項として、2026年9月4日までの日を会日とするJHDの株主総会を招集することを許可しました。

ノアグループHDは2026年7月18日付で、臨時株主総会において議決権を行使できる株主を確定するため、2026年8月4日を基準日とする公告を行っています。

ただし、裁判所の招集許可は、ノアグループHDが提案する取締役3名の選任が認められたことを意味しません。

裁判所が認めたのは、株主総会を招集することです。実際に取締役選任議案が可決されるかどうかは、基準日時点の株主による議決権行使で決まります。

EVO FUNDによる第10回新株予約権の行使も継続

眞野社長による第8回新株予約権の行使と並行して、EVO FUNDを割当先とする第10回新株予約権の行使も進んでいます。

項目 2026年6月 2026年7月
交付株式数 982,000株 846,000株
行使された新株予約権数 9,820個 8,460個
発行総数に対する行使比率 11.9% 10.2%
月末時点の未行使新株予約権数 50,160個 41,700個
残存する潜在株式数 5,016,000株 4,170,000株

7月中の行使価額は119円から135円の範囲で推移し、合計846,000株が交付されました。

7月31日時点でも、第10回新株予約権は41,700個、株式数にして4,170,000株分が未行使として残っています。

したがって、JHDでは、眞野社長が取得した260万株だけでなく、今後もEVO FUNDの行使によって発行済株式数が増加する可能性があります。

EVO FUNDは純投資目的であり、取得株式を原則として市場で売却する方針とされています。そのため、残存新株予約権の行使状況と、行使後の株式需給は継続して確認する必要があります。

ノアグループHDは何を提案しているのか

ノアグループHDは2026年7月6日、自社サイトで「あるべき上場企業の姿を目指して東京証券取引所上場【東証STD2721】ジェイホールディングス株式会社に対しての臨時株主総会請求と今後の事業計画提案書」と題する資料を公開しました。

同資料では、現経営陣の退任を求めない「協調型経営参画」を掲げています。

ノアグループHD側が示している主な提案は次の通りです。

  • 取締役または執行役員としてノアグループHD側の人材を選任
  • スポーツ事業、施設開発、デジタル戦略など新規事業領域の統括
  • 経営会議への参加
  • KPI管理と事業計画策定への共同参画
  • 資本参加の継続・拡大
  • スポーツ施設の開発・施工・運営の一貫体制構築
  • スポーツテックの導入
  • 地域創生型スポーツイベントの共同企画
  • 財務改善及び資本政策の共同検討
  • M&Aによる事業戦略の推進

ノアグループHDは、JHDを「スポーツ事業」「上場企業としての資本市場アクセス」「地域創生」「スポーツテック」を組み合わせた事業基盤として位置づけています。

単に既存のフットサル施設を運営するだけでなく、施設開発、施工、運営、集客、イベント、デジタル活用までを一体化する構想です。

JHDとノアグループHDの業務提携基本契約

今回の経営参画提案を見るうえで、2026年3月12日に公表された業務提携基本契約は重要です。

JHDの開示によれば、ノアグループHDは、子会社のノアインドアステージ株式会社を軸に、全国35校、会員数43,000人以上のテニススクール運営や、関西・関東圏におけるフットサル施設の運営・施工などを行っています。

JHDは、ノアグループHDのスポーツ施設開発・運営ノウハウと、JHDの上場企業としてのブランド力やネットワークを組み合わせ、スポーツ施設の開発から運営、集客までの一貫体制構築を目指すと説明しています。

業務提携基本契約では、フットサル施設管理運営事業について、次の項目を検討するとされています。

  • 出店地域及び物件の取得方法
  • 事業スキーム
  • 出資割合及び資金負担
  • 運営体制及び役割分担
  • 収益分配方法
  • その他、事業実施に関連する事項

また、契約の有効期間中、JHDは本件事業と同一または類似する業務提携について、原則としてノアグループHD以外の第三者と交渉しない内容も含まれています。

この独占交渉条項からも、ノアグループHDは単なる外部協力会社ではなく、JHDのスポーツ事業における中心的な提携候補として位置づけられていたと考えられます。

「協調型経営参画」でも議決権をめぐる局面へ

ノアグループHDは、公開資料で現経営陣の退任を求めないと説明しています。

そのため、会社側の取締役を全面的に入れ替える典型的な敵対的買収や支配権争いとは、性質が異なります。

一方で、実際の議題は「取締役3名選任の件」です。取締役会の構成が変われば、事業戦略、資本政策、新規事業、M&Aなどの意思決定にも影響する可能性があります。

さらに、臨時株主総会を前に、眞野社長が260万株を取得して筆頭株主となりました。EVO FUNDによる新株予約権の行使も続いており、基準日までの株主構成は従来から大きく変化しています。

したがって、今回の案件は、表向きは協調型経営参画であっても、株主総会における議決権行使と取締役選任をめぐるガバナンス上の重要局面に入ったといえます。

PIPES.jpが注目する4つの論点

1.資金調達と議決権確保が同時に進んでいる

眞野社長による第8回新株予約権の行使は、会社に約4億円規模の資金を供給する一方、同氏を議決権所有割合16.58%の筆頭株主にしました。

資金調達と議決権構成の変更が、一つの新株予約権行使によって同時に発生しています。

これは、PIPES型ファイナンスを分析するうえで非常に重要な事例です。新株予約権は、会社へ資金を供給する手段であると同時に、誰がどの程度の議決権を持つかを変える手段にもなります。

2.2つの基準日を分けて考える必要がある

JHD会社側の臨時株主総会の基準日は7月23日、ノアグループHD側が招集する臨時株主総会の基準日は8月4日です。

眞野社長が260万株を取得した7月29日は、2つの基準日の間にあります。

どの株主がどちらの臨時株主総会で議決権を行使できるのかを判断する際には、株式の取得日だけでなく、それぞれの基準日時点の株主名簿を確認する必要があります。

3.EVO FUND向け新株予約権の希薄化は終わっていない

7月31日時点でも、第10回新株予約権には4,170,000株分の未行使残高があります。

今後も行使が進めば、会社への資金流入は増加しますが、発行済株式数も増加します。また、EVO FUNDが取得株式を市場で売却することで、株式需給に影響が生じる可能性があります。

第8回新株予約権の行使だけを見て、JHDの希薄化が完了したと判断することはできません。

4.資金調達後の事業再建を誰が担うのか

JHDには、EVO FUND型ファイナンスによって資金を調達する仕組みがあります。

しかし、資金を調達するだけで企業価値が向上するわけではありません。

調達資金をどの事業へ投入し、誰が事業計画を作り、誰がKPIを管理し、誰が収益化に責任を持つのかが重要です。

ノアグループHDは、スポーツ施設開発、運営、スポーツテック、地域創生、M&Aなどを提案しています。一方、現経営陣は再生医療関連事業や環境ソリューション事業などを進めています。

臨時株主総会は、単なる取締役選任の問題ではなく、JHDの今後の事業再建を誰が主導するのかを決める可能性がある重要な機会です。

投資家が確認すべきリスク

  • ノアグループHD側の臨時株主総会の開催日時と場所は、7月30日時点では未確定
  • 取締役3名選任議案の成否は未確定
  • JHD会社側が開催予定とする臨時株主総会の議案も未確定
  • 会社側とノアグループHD側で異なる基準日が設定されている
  • 眞野社長が取得した260万株の中長期保有方針は、会社が口頭で確認した内容
  • 第10回新株予約権には4,170,000株分の未行使残高がある
  • 第8回新株予約権にも17,000個、1,700,000株分の未行使残高がある
  • 第11回新株予約権による追加の潜在株式も存在する
  • 新株予約権の行使に伴い、発行済株式数と議決権総数が今後も変化する可能性がある
  • EVO FUNDが取得株式を市場で売却することによる需給悪化の可能性がある
  • スポーツ事業、再生医療関連事業、環境関連事業の収益化は未確定
  • 新規事業には追加投資、人材確保、許認可、事業化遅延などのリスクがある

特に重要なのは、ノアグループHD側の提案資料と、JHDによる上場会社としての適時開示を区別して読むことです。

ノアグループHDの資料は、同社の提案、構想及び意向を示すものです。一方、JHDの適時開示は、会社が正式に公表した事実や会社側の見解です。

何が確定しているのか、何が提案段階なのか、何が今後の株主総会で決まるのかを分けて確認する必要があります。

JHDは「資金調達後の再建モデル」になれるか

JHDの案件は、PIPES.jpが継続的に追っているテーマを象徴しています。

上場企業が第三者割当や新株予約権を使って資金調達を行う場合、投資家の関心は希薄化率、行使価額、割当先、株式需給に集中しがちです。

しかし、本当に重要なのは資金調達後です。

調達した資金によって延命するだけなのか。それとも、事業を立て直し、企業価値を再構築できるのか。

JHDでは、EVO FUNDによる新株予約権行使が進む一方、ノアグループHDが業務提携から経営参画提案、臨時株主総会招集へと踏み込んでいます。

さらに、現経営陣を代表する眞野社長が、第8回新株予約権を約4億円規模で行使し、260万株を取得して筆頭株主となりました。

これにより、JHDの論点は次の段階へ移っています。

  • 誰が資金を供給するのか
  • 誰が議決権を持つのか
  • 誰が取締役を選任するのか
  • 誰が事業再建を実行するのか
  • 調達資金が企業価値向上につながるのか

ノアグループHDの提案が実行段階に進み、スポーツ施設開発、運営、スポーツテック、地域創生、M&Aなどが収益につながれば、JHDはPIPES型ファイナンス後の事業再建事例となる可能性があります。

一方、臨時株主総会の議案が否決された場合や、事業計画が具体化しない場合には、大規模な希薄化だけが先行するリスクもあります。

PIPES.jpとしては、JHDを単なるMSワラント銘柄としてではなく、「希薄化を伴う資金調達後に、事業再建とガバナンス改善が実現するのか」という視点から継続して追う必要があると考えます。

まとめ

2026年7月末時点で、ジェイホールディングスでは資金調達、株主構成、臨時株主総会、事業再建提案が同時に動いています。

  • EVO FUND向け第10回新株予約権の行使が継続している
  • 7月中には846,000株が交付された
  • 7月31日時点で4,170,000株分の第10回新株予約権が未行使として残っている
  • 眞野社長は第8回新株予約権26,000個を譲り受け、即日行使した
  • 眞野社長は260万株を取得し、議決権所有割合16.58%の筆頭株主となった
  • JHD会社側の臨時株主総会の基準日は7月23日
  • ノアグループHD側が招集する臨時株主総会の基準日は8月4日
  • ノアグループHD側の議題は取締役3名選任
  • 裁判所は2026年9月4日までの日を会日として株主総会を招集することを許可している

今回の最大のポイントは、約4億円規模の資金調達と、代表取締役による16.58%の議決権確保が同時に起きたことです。

加えて、EVO FUNDによる新株予約権行使も続いているため、株主構成と発行済株式数は今後も変化する可能性があります。

JHDの案件は、PIPES型ファイナンスが資金調達だけでなく、経営権、ガバナンス、事業再建の主体にまで影響することを示す事例です。

今後は、臨時株主総会の正式な開催日時、会社側の意見、取締役選任議案の成否、残存新株予約権の行使、調達資金の使途と事業成果を確認する必要があります。

主な参照資料

免責事項:本記事は公開情報に基づく分析記事であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。掲載内容は2026年7月31日時点の情報に基づいており、今後の適時開示、株主総会、会社側の対応、事業計画、新株予約権の行使状況などにより変化する可能性があります。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

関連記事一覧

  1. アズ企画設計がマッコーリーとヒトプランを割当先にTIP型新株予約権を発行し希薄化率24.87%の資本政策を実施
  2. 環境フレンドリーHDパイプス事例
  3. マルシェとテンポスHDの第三者割当増資、希薄化率56.87%と子会社化見込みを解説する
  4. 学びエイド,PIPES,資本業務提携,第三者割当,
  5. Ridge-i、SBIと資本業務提携
PAGE TOP
目次