PIPEs・資本戦略レポート

EVO FUNDの投資先一覧|保有銘柄・第三者割当案件を整理

EVO FUNDの投資先一覧

2026年5月18日更新:WIZEのEVO FUND向け第39回新株予約権、SANKO MARKETING FOODSのEVO FUND向け転換価額修正条項付CB・第8回新株予約権案件を一覧に追加しました。WIZEはソラナ・トレジャリー事業、SANKOは水産6次産業化の構築・再編成資金という点で、それぞれ特徴的なEVO FUND案件です。

EVO FUNDの投資先一覧を見ると、単なる保有銘柄のリストではなく、上場企業の第三者割当増資、新株予約権、行使価額修正条項付新株予約権、転換社債型新株予約権付社債などを通じた資本政策の流れが見えてきます。

本記事では、EVO FUNDが割当先・引受先として確認できる上場企業の案件を、公開情報ベースで整理します。なお、ここでいう「投資先一覧」は、現在もEVO FUNDが継続保有している銘柄一覧という意味ではありません。新株予約権の行使、株式売却、大量保有報告書・変更報告書の提出により、保有状況は時点ごとに変動します。

そのため、本ページでは「確認済み」「要確認」を分けて整理します。金額、株式数、希薄化率、保有割合、行使状況は必ず各社の適時開示、大量保有報告書、有価証券届出書などの一次情報で確認してください。

EVO FUNDとは何者か

EVO FUNDは、日本の上場企業による第三者割当増資や新株予約権発行の場面で繰り返し登場する投資ファンドです。一般的な長期保有目的の事業会社やVCとは異なり、資金調達スキームの中で新株予約権や転換社債型新株予約権付社債を引き受け、行使・売却・保有比率の変化を伴いながら関与するケースが多く見られます。

EVOLUTION JAPAN証券の公式サイトでは、EVO FUNDの資金とネットワークを活用し、日本企業の資金調達を支援するブティック型証券会社としての位置づけが説明されています。また、EVO側は2024年8月23日のモダリス案件で、第三者割当増資の引受実績が累計100件に到達したと公表しています。

EVO FUNDそのものの概要や、なぜ「手口」「やばい」と検索されるのかについては、EVO FUNDとは何者か?投資先・保有銘柄・手口とされる資金調達手法を解説で詳しく整理しています。

EVO FUNDの投資先一覧を見る前に注意すべきこと

EVO FUNDの投資先一覧を見るときに最も重要なのは、「名前がある=現在も大量保有している」と考えないことです。EVO FUNDは、新株予約権の行使によって株式を取得し、その後、市場売却や変更報告によって保有比率が大きく変動することがあります。

特に、行使価額修正条項付新株予約権やMSワラント的なスキームでは、株価、行使価額、下限行使価額、行使停止条項、取得条項、借株、売却方針などをセットで読む必要があります。

制度面の前提を確認したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

EVO FUNDの主な投資先一覧

以下は、公開情報ベースでEVO FUNDの関与が確認できる、または確認対象として整理すべき主な投資先です。確認済みの案件については、適時開示や公式発表でEVO FUNDの割当・引受が確認できるものを中心に記載しています。

会社名 証券コード 確認状況 主なスキーム・論点 確認できるポイント 読みどころ
WIZE 3664 確認済み 第39回新株予約権 EVO FUNDを割当先とする行使価額修正条項付新株予約権。潜在株式数60,000,000株、調達予定額約19.66億円、希薄化率70.89%。 調達資金をソラナ・トレジャリー事業における暗号資産ソラナ取得へ充当する点が特徴。暗号資産トレジャリー型のEVO FUND案件として注目度が高い。
SANKO MARKETING FOODS 2762 確認済み DES・転換価額修正条項付CB・第8回新株予約権 平林隆広氏向けDESと、EVO FUND向け第3回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第8回新株予約権を組み合わせた資金調達。最大希薄化率は42.08%。 運転資金と水産6次産業化の構築・再編成資金を目的とする複合型PIPES案件。EVO FUNDの再登板案件としても読みどころがある。
メタプラネット 3350 確認済み 第三者割当による新株予約権 第27回新株予約権、EVO FUND割当、行使価額修正条項、mNAV条項、行使停止条項など ビットコイン関連企業としての資本政策と、EVO FUND型ファイナンスの代表例として注目度が高い。
ダブル・スコープ 6619 確認済み 第12回新株予約権 EVO FUNDを割当先とする行使価額修正条項付新株予約権。2026年2月に行使完了の開示あり。 短期間での行使進行を確認しやすく、行使・売却・株価需給を読む教材として使いやすい。
TORICO 7138 確認済み 第11回新株予約権 第三者割当の方法により、全ての新株予約権をEVO FUNDに割り当てる旨が開示。 暗号資産事業への投資資金との関係があり、近年のEVO案件の方向性を見るうえで重要。
マックハウス 7603 確認済み 第11回新株予約権 EVO FUNDを割当先とする行使価額修正条項付新株予約権。潜在株式数や希薄化率が開示。 暗号資産取得資金、借株、希薄化率の説明があり、既存株主への影響を読む材料が多い。
モダリス 4883 確認済み 転換価額修正条項付CB・新株予約権 2024年8月23日の発行・払込完了により、EVO側の第三者割当増資引受実績が累計100件に到達。 EVO FUNDの日本市場での実績を象徴する案件として、一覧記事内で優先的に扱う価値が高い。
シンバイオ製薬 4582 確認済み 第65回・第66回新株予約権など EVO FUNDを割当先とする行使価額修正条項付新株予約権の大量行使開示が複数確認できる。 バイオ企業の継続的な資金調達、行使進捗、希薄化リスクを読むうえで重要な事例。
リボミック 4591 確認済み 第18回・第19回新株予約権など EVO FUNDを割当先とする新株予約権の月間行使状況・大量行使・行使完了に関する開示が確認できる。 バイオ系ファイナンスにおける新株予約権の行使進捗と需給影響を確認しやすい。
海帆 3133 要確認 第三者割当増資・新株予約権・保有比率変動の確認対象 大量保有報告書・適時開示でEVO FUNDの関与時点を再確認する必要あり。 市場関心が高く、確認できれば個別記事化候補。
窪田製薬ホールディングス 4596 要確認 保有比率変動・変更報告書の確認対象 大量保有報告書・変更報告書で時点別の保有状況を再確認する必要あり。 保有割合の変化を追う教材として使いやすい可能性がある。
メディアリンクス 6659 要確認 変更報告・保有比率推移の確認対象 EDINET・TDnetでEVO FUNDの関与と保有比率推移を再確認する必要あり。 小型株の需給変化とEVO案件の読み方を説明しやすい可能性がある。
パス 3840 要確認 大量保有・保有割合変動の確認対象 大量保有報告書・変更報告書でEVO FUNDの関与を再確認する必要あり。 保有比率の変化が大きい場合、資本政策記事として展開しやすい。

上記のうち「要確認」とした銘柄は、現時点で本記事の作成時に一次情報の再確認を完了していないものです。候補としては有力でも、EVO FUNDの関与時点、保有比率、行使状況、資金調達スキームを確認するまでは、断定的に「投資先」と表現しない方が安全です。

確認済み案件の読みどころ

WIZE:ソラナ・トレジャリー事業に振り切ったEVO FUND案件

WIZEは、2026年5月15日付で、EVO FUNDを割当先とする第39回新株予約権の発行を発表しています。新株予約権は行使価額修正条項付であり、潜在株式数は60,000,000株、すべて行使された場合の希薄化率は70.89%とされています。

本件の最大の特徴は、調達予定額約19.66億円の使途が、ソラナ・トレジャリー事業における暗号資産ソラナの追加取得に充当される点です。通常の運転資金や借入返済ではなく、暗号資産トレジャリー戦略に資金使途が明確に向けられているため、近年のEVO FUND案件の中でもかなり特殊な事例といえます。

また、希薄化率が70%を超える大規模な第三者割当に該当するため、既存株主にとっては、行使の進捗、EVO FUNDによる市場売却方針、ソラナ価格の変動、上場維持基準への対応状況を継続的に確認する必要があります。

個別分析は、WIZEのEVO FUND向けMSワラント分析で詳しく整理しています。

SANKO MARKETING FOODS:DES・MSCB・MSワラントを組み合わせた再建型EVO案件

SANKO MARKETING FOODSは、2026年5月15日付で、第三者割当による新株式発行、転換価額修正条項付CB、第8回新株予約権の発行を発表しています。割当予定先は、DESについては平林隆広氏、CB及び新株予約権についてはEVO FUNDです。

本件は、会長向けDESによる債務の株式化、EVO FUND向けの転換価額修正条項付CB、さらに行使価額修正条項付新株予約権を組み合わせた複合型のPIPES案件です。最大希薄化率は42.08%とされており、25%を超える大規模な第三者割当に該当します。

資金使途は、運転資金と水産6次産業化を迅速に構築・再編成するための成長投資です。外食・水産・物流・加工をつなぐ事業再構築の資金として、EVO FUND型ファイナンスを再び活用する案件として読みどころがあります。

個別分析は、SANKO MARKETING FOODSのEVO FUND向けMSCB・MSワラント型PIPES分析で詳しく整理しています。

メタプラネット:EVO FUND案件の代表例

メタプラネットは、EVO FUND関連で最も検索需要を取りやすい銘柄の一つです。2026年3月16日付の開示では、第27回新株予約権について、第三者割当の方法により全ての本新株予約権をEVO FUNDに割り当てる旨が確認できます。

同案件では、行使価額修正条項、mNAV条項、下限行使価額修正条項、行使停止条項などが組み合わされており、単純な第三者割当増資ではなく、株価や資産価値、行使タイミングと連動する複合的な資金調達スキームとして読む必要があります。

メタプラネットはビットコイン関連企業として注目されやすく、EVO FUNDの関与と暗号資産・資本政策の関係を整理するうえで、今後も個別記事化の優先度が高い銘柄です。

ダブル・スコープ:短期間での行使完了を確認できる事例

ダブル・スコープは、EVO FUNDを割当先とする第12回新株予約権の行使状況を確認しやすい事例です。2026年2月27日の開示では、第12回新株予約権について、大量行使および行使完了が公表されています。

このような案件では、発行時の潜在株式数だけでなく、実際にどの程度のスピードで行使が進んだのか、交付株式数が市場需給にどのような影響を与えたのかを確認することが重要です。

TORICO:暗号資産事業資金との関係が見える事例

TORICOは、2026年1月27日付の開示で、第三者割当による第11回新株予約権をEVO FUNDに割り当てる内容が確認できます。資金使途として暗号資産事業への投資が掲げられており、近年のEVO FUND案件に見られる暗号資産・Web3関連資金との接点を読むうえで重要です。

ただし、暗号資産関連というだけで株価材料として過度に評価するのではなく、行使価額、下限行使価額、行使期間、調達予定額、実際の充当状況を確認する必要があります。

マックハウス:希薄化率と借株の説明が重要な事例

マックハウスは、EVO FUNDを割当先とする第11回新株予約権を通じた資金調達で、希薄化率や借株に関する説明が確認できる事例です。補足説明資料では、本新株予約権がすべて行使された場合の交付株式数、希薄化率、議決権ベースの希薄化率が説明されています。

また、暗号資産取得資金との関係もあり、EVO FUND案件を読む際に「何のための資金調達なのか」「どの程度の希薄化があるのか」「割当先がどのように行使する可能性があるのか」を確認する教材として使いやすい案件です。

モダリス:EVO側の100件目到達案件

モダリスは、EVO側が第三者割当増資の引受実績100件到達を公表した際に言及された象徴的な案件です。EVO側の公式発表では、2024年8月23日のモダリス社による第三者割当増資の発行・払込完了により、EVOLUTION FINANCIAL GROUPの第三者割当増資引受実績が累計100件に到達したと説明されています。

モダリスの案件では、転換価額修正条項付の転換社債型新株予約権付社債や、行使価額修正条項付新株予約権が登場しており、バイオ企業の資金調達とEVO FUNDの関係を読むうえで重要です。

シンバイオ製薬・リボミック:バイオ系ファイナンスの継続観測対象

シンバイオ製薬とリボミックは、EVO FUNDを割当先とする新株予約権の大量行使や月間行使状況を確認しやすいバイオ系企業です。バイオ企業は研究開発資金を継続的に必要とするため、新株予約権やMSワラント的なスキームが資金調達手段として使われることがあります。

ただし、既存株主にとっては希薄化率、行使価額の修正、行使の進捗、株価への需給影響を確認することが重要です。単に「EVO FUNDが入った」というだけではなく、その後の行使状況まで追う必要があります。

EVO FUND案件で確認すべきチェックポイント

EVO FUNDの投資先を調べるときは、会社名だけで判断せず、以下の項目を確認することが重要です。

  • 割当先が本当にEVO FUNDか
  • 普通株式、新株予約権、CB、MSワラント的スキームのどれか
  • 行使価額修正条項があるか
  • 下限行使価額があるか
  • 行使停止条項や取得条項があるか
  • 潜在株式数は何株か
  • 最大希薄化率は何%か
  • 資金使途は何か
  • 行使により取得した株式を長期保有する方針か、市場売却を予定しているか
  • 大量保有報告書・変更報告書で保有比率がどう変わっているか

特に重要なのは、潜在株式数と希薄化率です。EVO FUND案件では、発行時点ではまだ株式が増えていなくても、新株予約権が行使されることで将来の発行済株式数が大きく増える可能性があります。

希薄化率の計算方法については、希薄化率の計算方法で詳しく解説しています。

「EVO FUNDの投資先」と「現在の保有銘柄」は違う

検索では「EVO FUND 投資先」「EVO FUND 保有銘柄」という言葉が混在しますが、両者は分けて考える必要があります。

投資先とは、過去または現在においてEVO FUNDが第三者割当、新株予約権、CB、大量保有報告書などを通じて関与したことが確認できる銘柄を指します。一方、現在の保有銘柄は、特定時点においてEVO FUNDが保有している株式や新株予約権を意味します。

新株予約権は行使されれば株式になりますが、行使後に売却されれば保有比率は下がります。そのため、過去にEVO FUNDが割当先だった銘柄でも、現在の大量保有状況とは一致しないことがあります。

EVO FUND案件はなぜ株価材料になりやすいのか

EVO FUND案件が株価材料になりやすい理由は、資金調達そのものだけでなく、資金使途、希薄化率、割当先の知名度、暗号資産・AI・バイオ・再建テーマなどが同時に注目されやすいからです。

特に、資金使途に暗号資産取得、AIデータセンター、バイオ研究開発、M&A、新規事業投資などが含まれる場合、市場では短期材料として反応することがあります。

一方で、新株予約権が行使されると新株が発行され、既存株主の持分は希薄化します。また、取得された株式が市場で売却される場合、株価の上値を抑える需給要因になる可能性もあります。

そのため、EVO FUND案件を見るときは、「資金調達で成長投資ができる」というプラス面と、「希薄化・売却圧力・株価変動リスク」というマイナス面の両方を読む必要があります。

今後も継続的に追いたいEVO FUND関連銘柄

今後、PIPES.jpで継続的に追いたいEVO FUND関連銘柄は以下の通りです。

  • メタプラネット:EVO FUND、ビットコイン、mNAV条項、新株予約権の組み合わせが強い
  • ダブル・スコープ:短期間での行使完了を確認できる
  • TORICO:暗号資産事業資金との関係がある
  • マックハウス:希薄化率、暗号資産取得資金、借株の論点がある
  • モダリス:EVO側の100件目到達案件として象徴性がある
  • シンバイオ製薬:バイオ系ファイナンスの継続観測対象
  • リボミック:バイオ系新株予約権の行使状況を追いやすい

ただし、個別記事化する際は、各社の適時開示、有価証券届出書、大量保有報告書、変更報告書を再確認し、金額・株式数・希薄化率・割当先・資金使途を必ず照合する必要があります。

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外部参照

FAQ

EVO FUNDの投資先一覧はどこで確認できますか?

EVO FUNDの投資先は、各社の適時開示、大量保有報告書、変更報告書、有価証券届出書などで確認できます。ただし、一覧で確認できる民間データベースや記事もありますが、最終的には一次情報で確認する必要があります。

EVO FUNDの投資先一覧は現在保有中の銘柄一覧ですか?

いいえ。本記事の投資先一覧は、EVO FUNDが過去または現在に関与したことが確認できる銘柄を整理したものです。現在の保有比率や保有状況は、時点ごとの大量保有報告書・変更報告書で確認してください。

EVO FUND案件はMSワラントですか?

すべてがMSワラントとは限りません。行使価額修正条項付新株予約権、転換価額修正条項付CB、普通株式の第三者割当など、案件ごとにスキームが異なります。記事内では、開示資料で確認できる範囲に基づき、MSワラント的性質がある場合でも断定しすぎないことが重要です。

EVO FUND案件を見るときに一番重要なポイントは何ですか?

最も重要なのは、潜在株式数、希薄化率、行使価額、下限行使価額、資金使途、行使・売却方針です。特に既存株主にとっては、将来どの程度株式数が増える可能性があるかを確認することが重要です。

EVO FUNDが入ると株価は上がりますか?

一概には言えません。資金使途やテーマ性によって短期的に材料視されることはありますが、新株予約権の行使による希薄化や売却圧力が意識されることもあります。投資判断ではなく、まず開示資料を確認することが重要です。

Japan PIPES Market Research for Qualified Investors

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