PIPEs・資本戦略レポート

THE WHY HOW DO COMPANYの第三者割当を分析|第16回新株予約権と複数回資金調達スキーム

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THE WHY HOW DO COMPANYの第三者割当を分析|第16回新株予約権と複数回資金調達スキーム

THE WHY HOW DO COMPANY株式会社(証券コード:3823)は、第三者割当による第16回新株予約権、第17回新株予約権、第18回新株予約権および第19回新株予約権を組み合わせた資金調達を実施しました。

本件で特に注意すべき点は、すべての新株予約権を一括して「MSワラント」と断定しないことです。開示上、行使価額修正条項付と整理されているのは第16回新株予約権であり、第17回から第19回までを同じ性質の新株予約権として扱うと、資本政策の理解を誤る可能性があります。

本記事では、THE WHY HOW DO COMPANYの第三者割当について、第16回新株予約権の行使価額修正条項、複数回に分けた新株予約権の設計、希薄化リスク、PIPES的な資金調達としての位置づけを整理します。

本件の資金調達スキームの概要

今回の資金調達は、単純な普通株式の第三者割当増資ではなく、複数の新株予約権を発行する形で設計されています。

  • 第16回新株予約権:行使価額修正条項付の新株予約権
  • 第17回新株予約権:固定的な条件で設計された新株予約権
  • 第18回新株予約権:固定的な条件で設計された新株予約権
  • 第19回新株予約権:固定的な条件で設計された新株予約権

このように、本件は「第16回新株予約権を中心とした行使価額修正型の資金調達」と、「第17回から第19回までの新株予約権を組み合わせた段階的な資金調達」を併用したスキームと見ることができます。

第16回新株予約権はMSワラント的な性質を持つ

第16回新株予約権については、行使価額修正条項付の新株予約権として開示されています。一般的に、行使価額が株価に応じて修正される新株予約権は、MSワラントに近い性質を持つものとして市場で受け止められやすい資金調達手法です。

MSワラント型の資金調達では、企業側にとっては市場環境に応じて段階的な資金調達を進めやすい一方、既存株主にとっては将来の株式発行による希薄化や、株価への下押し圧力が意識されやすくなります。

ただし、本件では第16回新株予約権について「MSワラント的」と整理するにとどめ、第17回から第19回までを同じくMSワラントと断定することは避けるべきです。

第17回から第19回はMSワラントと断定しない

第17回新株予約権、第18回新株予約権、第19回新株予約権については、第16回新株予約権とは異なる条件で設計されています。そのため、これらを一括して「MSワラント型PIPES」と表現するのは正確ではありません。

本件を正しく理解するには、「第16回は行使価額修正条項付の新株予約権」「第17回から第19回は別条件の新株予約権」と分けて見る必要があります。

つまり、THE WHY HOW DO COMPANYの資金調達は、単一のMSワラント案件というよりも、複数回の新株予約権を組み合わせた資本政策と表現する方が実態に近いといえます。

PIPES的な資金調達といえる理由

PIPESとは、上場企業が特定の投資家に対して株式や新株予約権などを私募で発行し、公開市場を通さずに資金を調達する取引形態を指します。

THE WHY HOW DO COMPANYは上場企業であり、特定の割当先に対して新株予約権を発行しているため、本件は広い意味ではPIPES的な資金調達と整理できます。

ただし、PIPESといっても、その中身は普通株式の第三者割当、新株予約権、行使価額修正条項付新株予約権など多様です。本件では、特に第16回新株予約権の行使価額修正条項と、第17回から第19回までの新株予約権を組み合わせた点が特徴です。

既存株主が注意すべき希薄化リスク

新株予約権は、発行された時点ですぐに株式が増えるわけではありません。しかし、割当先が新株予約権を行使すると、新株が発行され、発行済株式数が増加します。

その結果、既存株主の持分比率は相対的に低下します。これが株式の希薄化です。

特に、行使価額修正条項付の新株予約権では、株価水準や行使状況によって市場に与える印象が変わります。株価が低迷する局面では、将来の株式供給への警戒感から、株価の上値が重くなるケースもあります。

一方で、企業側から見れば、銀行借入や公募増資とは異なる形で資金調達の選択肢を確保できるというメリットがあります。資金使途が成長投資や事業再建に結びつく場合には、将来的な企業価値向上につながる可能性もあります。

本件を読むうえでの重要ポイント

  • 第16回新株予約権は行使価額修正条項付であり、MSワラント的な性質を持つ
  • 第17回から第19回までを一括してMSワラントと断定しない
  • 本件は複数回の新株予約権を組み合わせた資金調達スキームである
  • 上場企業が特定の割当先に新株予約権を発行しているため、PIPES的な資金調達と整理できる
  • 既存株主にとっては、将来の行使による希薄化リスクを確認する必要がある

まとめ|THE WHY HOW DO COMPANYの資金調達は「第16回だけMSワラント的」と整理するのが安全

THE WHY HOW DO COMPANYの第三者割当は、単純な普通株式の第三者割当増資ではなく、第16回から第19回までの新株予約権を組み合わせた資金調達スキームです。

このうち、第16回新株予約権は行使価額修正条項付であり、MSワラント的な性質を持つと整理できます。一方で、第17回から第19回までを同じくMSワラントと断定するのは避けるべきです。

したがって、本件は「MSワラント型PIPES」と一括りにするのではなく、「第16回新株予約権は行使価額修正条項付、その他の新株予約権を組み合わせたPIPES的資金調達」と表現するのが、ファクト面でも読者理解の面でも安全です。

既存株主や投資家は、調達予定額だけでなく、各新株予約権の条件、行使価額、行使状況、潜在株式数、希薄化率を分けて確認する必要があります。

MSワラントと希薄化率について詳しく知りたい方へ

MSワラントの仕組みについては、MSワラントとは?をご覧ください。

また、第三者割当増資や新株予約権による希薄化率を計算したい方は、希薄化率の計算方法もあわせてご確認ください。

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