- グリーンモンスターがマイルストーンに第三者割当|希薄化率19.61%の新株予約権を解説
- グリーンモンスターとはどのような会社か
- 今回の第三者割当の概要
- 第7回・第8回・第9回新株予約権の条件
- 行使許可条項とは何か
- 希薄化率は19.61%、議決権ベース20.12%
- 25%ルールには該当しない設計
- 10%超の行使制限条項
- 資金使途はAI・ブロックチェーン・香港拠点
- マイルストーン・キャピタル・マネジメントとは
- マイルストーン社の保有方針
- 今回のスキームのメリット
- 既存株主が見るべきリスク
- グリーンモンスター案件はMSワラントなのか
- PIPES.jpとしての見方
- 今後確認すべきポイント
- まとめ:グリーンモンスターの新株予約権は、成長投資型だが希薄化も大きい
グリーンモンスターがマイルストーンに第三者割当|希薄化率19.61%の新株予約権を解説
グリーンモンスター株式会社(157A・東証グロース)が、マイルストーン・キャピタル・マネジメント株式会社を割当予定先として、第7回・第8回・第9回新株予約権を発行すると発表しました。
今回の資金調達は、普通株式を一括で発行する第三者割当増資ではありません。行使価額の異なる3種類の新株予約権を発行し、株価上昇局面で段階的に行使されることを想定した、行使許可条項付の新株予約権スキームです。
発行される新株予約権は合計6,500個、潜在株式数は650,000株。すべて行使された場合の資金調達額は1,413,510,000円、差引手取概算額は1,400,090,000円です。
発行済株式総数3,314,900株に対する希薄化率は19.61%、議決権ベースでは20.12%とされており、25%ルールには該当しない水準に設計されています。
この記事のポイント
- グリーンモンスターがマイルストーン・キャピタル・マネジメントを割当先に新株予約権を発行
- 第7回・第8回・第9回の3種類で、行使価額は1,250円、2,050円、2,500円
- 潜在株式数は合計650,000株、希薄化率は19.61%
- 第8回・第9回は会社の行使許可がなければ行使できない設計
- 調達資金はAI、ブロックチェーン、新興インフラ技術、香港拠点、次世代金融教育に充当予定
- 25%未満のため、東証上場規程432条に基づく独立第三者意見・株主意思確認手続は不要と整理
グリーンモンスターとはどのような会社か
グリーンモンスターは、金融教育コンテンツおよび体験型金融教育アプリを提供する東証グロース上場企業です。
同社は「おかねに対する意識と行動を変える」をミッションに掲げ、個人投資家層を中心としたユーザー基盤の拡大を進めています。
主力サービスには、FX学習アプリ「FXなび」、株式投資シミュレーションアプリ「株たす」、投資学習アプリ「トウシカ」などがあり、2026年3月末時点で累計ダウンロード数は1,050万件を超えています。
また、金融機関向けのアプリケーション開発やシステム開発、FPコンサルティング、投資スクール・セミナー、マネースクール運営なども展開しています。
今回の第三者割当による新株予約権発行は、既存の金融教育事業に加え、AI、ブロックチェーン、新興インフラ技術、香港拠点、次世代金融教育サービスへ投資するための資金調達として位置づけられています。
今回の第三者割当の概要
グリーンモンスターは2026年7月15日開催の取締役会において、マイルストーン・キャピタル・マネジメント株式会社を割当予定先として、第7回・第8回・第9回新株予約権を発行することを決議しました。
割当日は2026年7月31日です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行会社 | グリーンモンスター株式会社 |
| 証券コード | 157A |
| 市場 | 東証グロース |
| 割当予定先 | マイルストーン・キャピタル・マネジメント株式会社 |
| 発行する証券 | 第7回・第8回・第9回新株予約権 |
| 割当日 | 2026年7月31日 |
| 新株予約権の総数 | 6,500個 |
| 潜在株式数 | 650,000株 |
| 資金調達額 | 1,413,510,000円 |
| 差引手取概算額 | 1,400,090,000円 |
| 行使期間 | 2026年7月31日から2028年7月30日まで |
今回の資金調達は、普通株式をすぐに発行するものではなく、マイルストーン社に新株予約権を割り当て、その後の行使によって株式が発行される仕組みです。
そのため、発行時点で会社に入る資金は新株予約権の発行価額3,510,000円にとどまり、実際の大部分の資金は、将来マイルストーン社が新株予約権を行使したときに入ります。
第7回・第8回・第9回新株予約権の条件
今回発行される新株予約権は、3種類に分かれています。
特徴は、行使価額が段階的に高く設定されている点です。
| 回号 | 新株予約権数 | 潜在株式数 | 発行価額 | 行使価額 | 行使による調達額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第7回 | 1,000個 | 100,000株 | 1個1,900円 | 1,250円 | 125,000,000円 |
| 第8回 | 2,000個 | 200,000株 | 1個630円 | 2,050円 | 410,000,000円 |
| 第9回 | 3,500個 | 350,000株 | 1個100円 | 2,500円 | 875,000,000円 |
| 合計 | 6,500個 | 650,000株 | 3,510,000円 | — | 1,410,000,000円 |
発行決議日前営業日である2026年7月14日の終値は868円です。
これに対して、第7回新株予約権の行使価額は1,250円、第8回は2,050円、第9回は2,500円です。
つまり、今回の新株予約権は、現在株価よりも低い価格でただちに株式を取得できる設計ではありません。会社側は、将来の株価上昇を前提に、段階的な資金調達を狙う構造にしています。
行使価額の階段構造
2026年7月14日終値:868円
↓
第7回新株予約権:1,250円
↓
第8回新株予約権:2,050円
↓
第9回新株予約権:2,500円
この点は、株価下落局面でも行使価額が市場価格に応じて修正されるMSワラント型とは性格が異なります。
ただし、株式分割や時価を下回る新株発行など、一定の事由が発生した場合には、通常の行使価額調整条項があります。そのため、「行使価額が未来永劫一切変わらない」という意味ではありません。
MSワラントとの違いについては、別記事「MSワラントとは?株価下落・希薄化リスク・第三者割当との違いを解説」で詳しく整理しています。
行使許可条項とは何か
今回の案件で最も重要なのは、行使許可条項です。
行使許可条項とは、割当先が自由に新株予約権を行使できるのではなく、発行会社が行使を許可した場合に限り、許可された数量の範囲で行使できる仕組みです。
ただし、今回のグリーンモンスター案件では、第7回新株予約権1,000個については、会社の行使許可前でも行使することができます。
一方、第8回新株予約権2,000個と第9回新株予約権3,500個については、会社が行使許可を出した場合に限り、許可された数量の範囲でのみ行使できます。
さらに、行使には順番があります。
行使許可の流れ
第7回新株予約権 1,000個
会社の行使許可前でも行使可能
↓
第7回の全行使が完了
↓
会社が第8回の行使許可を判断
↓
第8回の全行使が完了
↓
会社が第9回の行使許可を判断
会社は、第7回新株予約権1,000個すべての行使が終了しない限り、第8回新株予約権の行使許可を行うことができません。
また、第7回および第8回の全行使が終了しない限り、第9回新株予約権の行使許可を行うこともできません。
この構造により、会社は新株予約権の行使時期と数量を一定程度コントロールできます。
株価水準、事業進捗、資金需要、市場環境を見ながら、次の段階に進むかどうかを判断できる設計です。
希薄化率は19.61%、議決権ベース20.12%
今回の新株予約権がすべて行使された場合に発行される株式数は650,000株です。
2026年7月15日時点のグリーンモンスターの発行済株式総数は3,314,900株です。
これに対する希薄化率は19.61%とされています。
また、2026年7月15日時点の議決権個数32,303個に対する議決権ベースの希薄化率は20.12%です。
| 発行済株式総数 | 3,314,900株 |
|---|---|
| 今回の潜在株式数 | 650,000株 |
| 株式数ベースの希薄化率 | 19.61% |
| 議決権個数 | 32,303個 |
| 議決権ベースの希薄化率 | 20.12% |
20%前後の希薄化は、既存株主にとって軽い水準ではありません。
ただし、普通株式を一括で発行するスキームではなく、株価が行使価額を上回り、かつ条件を満たした場合に段階的に行使される新株予約権です。
そのため、希薄化は発行時点で一括して発生するのではなく、行使の進捗に応じて段階的に発生します。
希薄化率の計算方法については、別記事「希薄化率の計算方法|新株発行・新株予約権の影響をわかりやすく解説」をご確認ください。
25%ルールには該当しない設計
今回の第三者割当は、東証上場規程第432条に基づく独立第三者からの意見入手および株主意思確認手続は不要と整理されています。
理由は、希薄化率が25%未満であること、また支配株主の異動を伴うものではないことです。
今回の希薄化率は19.61%、議決権ベースでは20.12%です。
25%に近い水準ではあるものの、25%を超える大規模希薄化には該当しません。
ただし、ここで重要なのは、「25%未満だから問題ない」ということではありません。
25%未満であっても、既存株主の持分と議決権比率は低下します。特に今回のように20%前後の希薄化が発生し得る場合は、資金使途と企業価値向上の蓋然性をセットで見る必要があります。
第三者割当増資の基本については、別記事「第三者割当増資とは?仕組み・メリット・希薄化リスクを解説」で解説しています。
10%超の行使制限条項
今回の新株予約権には、10%超の行使制限条項も付されています。
具体的には、新株予約権の行使により、行使に係る新株予約権者が保有することとなるグリーンモンスター株式数が、発行決議日時点の発行済株式総数3,314,900株の10%、すなわち331,490株を超えることとなる場合、その10%を超える部分については行使できません。
この条項は、割当予定先であるマイルストーン社が一度に大株主化することを防ぐための設計です。
また、会社側の説明では、マイルストーン社が大株主として長期保有することを防止し、過度な一度の大量行使による希薄化を抑える効果があるとされています。
ただし、10%超の行使制限があるからといって、需給影響がゼロになるわけではありません。
行使された株式は、マイルストーン社が市場動向を勘案しながら売却する方針とされています。そのため、行使と売却が進む局面では、株価や出来高への影響を継続的に確認する必要があります。
資金使途はAI・ブロックチェーン・香港拠点
今回の差引手取概算額1,400,090,000円の主な資金使途は、AI、ブロックチェーン、新興インフラ技術、香港拠点、次世代金融教育サービスです。
| 資金使途 | 金額 | 支出予定時期 |
|---|---|---|
| AI、ブロックチェーン及び新興インフラ技術への投資 | 750百万円 | 2026年9月〜2028年6月 |
| 香港拠点の構築・運営に係る費用 | 230百万円 | 2026年8月〜2026年12月 |
| 次世代金融教育に向けた新ソリューションの研究及び開発 | 300百万円 | 2026年7月〜2028年6月 |
| AI及びブロックチェーン・インフラストラクチャー事業の開発、準備、運用に係る費用 | 120百万円 | 2026年7月〜2028年6月 |
| 合計 | 1,400百万円 | — |
最も大きい使途は、AI、ブロックチェーン及び新興インフラ技術への投資750百万円です。
同社は、AI技術への投資、AIエージェントとブロックチェーン技術を融合したインフラ・ソリューションの開発、技術パートナーとの共同開発、セキュリティ整備、ソリューション運営に必要な費用に充当すると説明しています。
また、230百万円は香港拠点の構築・運営に使われる予定です。内訳として、85百万円を香港子会社および事業体制の構築、145百万円をソリューション運営体制の構築に充当する予定とされています。
さらに、300百万円は次世代金融教育に向けた新ソリューションの研究・開発に充当されます。具体的には、体験型金融教育、投資シミュレーションの新アプリ開発に100百万円、専門人材の採用、外部パートナーシップ、M&A関連費用に200百万円を充てる予定です。
ただし、現時点で具体的に予定しているM&A案件は存在しないとされています。
マイルストーン・キャピタル・マネジメントとは
今回の割当予定先であるマイルストーン・キャピタル・マネジメント株式会社は、東京都千代田区大手町に所在する投資事業会社です。
| 名称 | マイルストーン・キャピタル・マネジメント株式会社 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都千代田区大手町一丁目6番1号 |
| 代表者 | 代表取締役 浦谷元彦 |
| 事業内容 | 投資事業 |
| 資本金 | 10百万円 |
| 設立 | 2012年2月1日 |
| 主要取引先 | 株式会社SBI証券 |
| 主要取引銀行 | 株式会社みずほ銀行 |
| 大株主 | 浦谷元彦 100% |
グリーンモンスターの開示によれば、マイルストーン社はこれまでに、同社を除く上場企業約67社に対して、第三者割当による新株式、新株予約権、新株予約権付社債の引受実績があります。
また、マイルストーン社がこれまで引き受けた新株予約権は、主に行使価額と目的株式数が固定された新株予約権であり、発行会社の株価が行使価額を上回る場合に実質的に行使可能となるものが多いと説明されています。
今回のグリーンモンスター案件も、行使価額が3段階に設定された固定行使価額型の新株予約権であり、マイルストーン社の過去の投資スタイルと一定の連続性があります。
マイルストーン社の保有方針
グリーンモンスターとマイルストーン社との間で、保有方針に関する特段の取り決めはありません。
ただし、マイルストーン社からは、グリーンモンスターの企業価値向上を目指した純投資である旨の意向が示されているとされています。
また、新株予約権の行使により交付を受けることとなるグリーンモンスター普通株式については、市場動向を勘案しながら売却する方針と説明されています。
ここは既存株主にとって重要です。
マイルストーン社は、長期保有を前提とする事業会社やスポンサーではありません。基本的には、株価が行使価額を上回る局面で新株予約権を行使し、取得した株式を市場で売却していく純投資型の投資家として見るべきです。
そのため、株価が上昇した場合には、会社に資金が入る一方で、行使後株式の売却による需給負担が発生する可能性があります。
今回のスキームのメリット
グリーンモンスターにとって、今回の新株予約権発行にはいくつかのメリットがあります。
1. 株価上昇局面で段階的に資金調達できる
第7回、第8回、第9回の行使価額は、それぞれ1,250円、2,050円、2,500円です。
2026年7月14日の終値868円を基準にすると、かなり高い水準に設定されています。
つまり、現時点でただちに大きな希薄化が発生するのではなく、株価上昇局面で段階的に資金調達が進む設計です。
2. 会社が行使タイミングを一定程度コントロールできる
第8回・第9回新株予約権については、会社が行使許可を出した場合に限り行使できます。
これにより、会社は事業進捗、資金需要、株価水準、市場環境を見ながら、次の段階に進むかどうかを判断できます。
3. 取得条項により買戻しが可能
今回の新株予約権には取得条項が付されています。
割当日から6ヶ月を経過した日以降、会社は取締役会決議により、残存する新株予約権の全部または一部を、払込価額と同額で取得することができます。
より有利な資金調達手段が見つかった場合や、資金需要が後退した場合には、残存新株予約権を取得する余地がある点は、会社側にとって柔軟性のある設計です。
4. 普通株式一括発行より希薄化タイミングを分散できる
普通株式を一括で発行する場合、発行時点で希薄化が確定します。
一方、今回の新株予約権は、実際に行使されて初めて株式が発行されるため、希薄化は段階的に発生します。
もっとも、最終的に全行使されれば650,000株の新株が発行されるため、最大希薄化率19.61%という事実は変わりません。
既存株主が見るべきリスク
一方で、既存株主にとっては注意すべきリスクもあります。
1. 最大19.61%の希薄化
今回の新株予約権がすべて行使された場合、650,000株の新株が発行されます。
これは発行済株式総数3,314,900株に対して19.61%の希薄化です。
25%未満とはいえ、既存株主にとっては明確な持分低下要因です。
2. 行使後の市場売却による需給負担
マイルストーン社は、行使により取得した株式について、市場動向を勘案しながら売却する方針とされています。
そのため、行使が進む局面では、会社に資金が入る一方で、売却による需給負担が発生する可能性があります。
3. 第8回・第9回の行使には株価上昇が必要
第8回新株予約権の行使価額は2,050円、第9回は2,500円です。
2026年7月14日の終値868円から見ると、かなり高い水準です。
株価がこれらの行使価額を上回らない場合、マイルストーン社にとって行使インセンティブは弱くなり、予定した資金調達が実現しない可能性があります。
4. 資金使途が新規領域に偏っている
今回の資金使途は、AI、ブロックチェーン、新興インフラ技術、香港拠点、次世代金融教育ソリューションです。
既存の金融教育アプリ事業との関連性はあるものの、AI・ブロックチェーン領域は競争が激しく、投資回収までの不確実性も高い分野です。
資金調達そのものよりも、実際にどのような事業成果につながるかが重要になります。
5. M&A資金はあるが具体案件は未定
次世代金融教育に向けた新ソリューションの研究・開発に係る費用300百万円のうち、200百万円は専門人材の採用、外部パートナーシップ、M&A関連費用に充当予定とされています。
ただし、現時点で具体的に予定しているM&A案件は存在しないと開示されています。
したがって、この資金が実際にどのような提携や買収につながるかは、今後の開示を確認する必要があります。
グリーンモンスター案件はMSワラントなのか
今回の新株予約権は、一般に問題視されることの多い行使価額修正条項付新株予約権、いわゆるMSワラントとは異なる性格を持ちます。
理由は、行使価額が第7回1,250円、第8回2,050円、第9回2,500円と固定されており、日々の株価に応じて機械的に行使価額が下方修正される設計ではないためです。
ただし、発行要項には通常の行使価額調整条項があります。
株式分割、時価を下回る新株発行、取得請求権付株式や新株予約権の発行など、一定の事由が発生した場合には行使価額が調整される可能性があります。
したがって、今回のスキームは「株価連動のMSワラント型」ではなく、「3段階の固定行使価額型・行使許可条項付新株予約権」と整理するのが適切です。
PIPES.jpとしての見方
今回のグリーンモンスター案件は、PIPES.jpとしては次のように整理できます。
| 論点 | 見方 |
|---|---|
| スキーム | マイルストーン向け第7回・第8回・第9回新株予約権 |
| 特徴 | 行使許可条項付。第8回・第9回は会社許可が必要 |
| 行使価額 | 1,250円、2,050円、2,500円の3段階 |
| 希薄化率 | 株式数ベース19.61%、議決権ベース20.12% |
| 25%ルール | 25%未満のため、独立第三者意見・株主意思確認手続は不要 |
| 資金使途 | AI、ブロックチェーン、香港拠点、次世代金融教育 |
| 投資家 | 国内の第三者割当・新株予約権投資家であるマイルストーン社 |
| 既存株主の注意点 | 行使後の市場売却、資金使途の不確実性、最大19.61%の希薄化 |
この案件は、単なる資金繰り対応というより、AI・ブロックチェーン領域への成長投資を前提にしたPIPES型ファイナンスです。
一方で、行使価額が高く設定されているため、会社の事業進捗や株価上昇が伴わなければ、予定通りの資金調達が実現しない可能性もあります。
つまり、既存株主にとっては、希薄化リスクと成長投資のリターンをセットで見る必要がある案件です。
今後確認すべきポイント
グリーンモンスターの既存株主、または今後同社株を検討する投資家は、次の点を継続して確認すべきです。
- 2026年7月31日に予定どおり割当・払込が完了するか
- 第7回新株予約権1,000個の行使がいつ進むか
- 第8回・第9回新株予約権について会社が行使許可を出すか
- 株価が1,250円、2,050円、2,500円を上回る局面があるか
- 行使後にマイルストーン社が市場でどの程度売却するか
- AI・ブロックチェーン投資の具体的な進捗が出るか
- 香港拠点の設立・運営が計画どおり進むか
- M&Aや外部パートナーシップの具体案件が出るか
- 最大19.61%の希薄化に見合う企業価値向上が実現するか
特に、第8回・第9回新株予約権の行使は、会社の行使許可と株価水準が重要になります。
行使価額が2,050円、2,500円と高い水準に設定されているため、単に新株予約権が発行されたというだけでなく、実際に行使される条件が整うかどうかを見ていく必要があります。
まとめ:グリーンモンスターの新株予約権は、成長投資型だが希薄化も大きい
グリーンモンスターによるマイルストーン・キャピタル・マネジメント向け新株予約権発行は、AI・ブロックチェーン・香港拠点・次世代金融教育への投資を目的とした成長投資型のPIPES案件です。
第7回・第8回・第9回の3種類の新株予約権を使い、行使価額を1,250円、2,050円、2,500円と段階的に設定している点が特徴です。
また、第8回・第9回については会社の行使許可がなければ行使できないため、会社が行使時期と数量を一定程度コントロールできる設計になっています。
一方で、すべて行使された場合には650,000株の新株が発行され、希薄化率は19.61%、議決権ベースでは20.12%に達します。
25%ルールには該当しないものの、既存株主にとって軽い希薄化ではありません。
今回の案件を評価するうえでは、資金調達スキームだけでなく、調達資金がAI・ブロックチェーン領域でどのような具体的成果につながるのか、そして行使後の株式売却が株価にどの程度影響するのかを継続して確認する必要があります。
グリーンモンスター×マイルストーン案件は、東証グロース企業が固定行使価額型・行使許可条項付新株予約権を使って成長投資資金を調達する、PIPES.jpとして継続的に追う価値のある事例です。
本記事は、グリーンモンスター株式会社の適時開示資料等の公開情報に基づき、上場企業の資本政策・PIPES型資金調達の仕組みを解説することを目的としたものです。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。









